岩渕健輔、ラグビーW杯と東京五輪のためにBACK NUMBER

五輪で7人制ラグビーを楽しむために。
岩渕健輔がその魅力と特異性を解説!

posted2016/07/27 17:00

 
五輪で7人制ラグビーを楽しむために。岩渕健輔がその魅力と特異性を解説!<Number Web> photograph by AFLO

広いコートを7人でカバーするセブンズは、求められる能力が違う。15人制のスピードスターですら選考から外れる厳しい世界なのだ。

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岩渕健輔

岩渕健輔Kensuke Iwabuchi

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 こんにちは。日本ラグビーフットボール協会、代表GMの岩渕健輔です。今回の連載ではリオデジャネイロのオリンピックに向け、男女の7人制ラグビーについて皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

 リオ五輪からは、7人制のラグビーが初めて正式競技として採用されます。

 昨年のラグビーワールドカップ(RWC)イングランド大会をきっかけに、15人制のラグビーに親しまれるようになった方は沢山いらっしゃるかと思いますが、7人制のラグビーには15人制のラグビーとは異なる、幾つかの顕著な特徴があります。主なものとしては、次のような要素が挙げられます。

1:1チームが7人で構成される(ただし、グラウンドの広さは15人制のラグビーと同じ)

2:試合時間が、前後半7分ずつの合計14分となる(決勝戦のみ前後半10分)

3:選手の数が少ないだけでなく、ラックやモールといったプレーも少なくなるため、ラグビーに詳しくない人にとっても試合が見やすく、わかりやすい

4:ワンプレー、ツープレーで一気にトライが生まれるケースが増えるため、試合の展開がダイナミックで、かつスリリングになる

5:波乱や番狂わせが起きやすい

6:グラウンドの広さは同じで人数が少なくなるため、選手の「個」の強さや速さが、15人制の試合以上に試合に影響すること

7:トライを決めた側がキックオフをして、ゲームを再開する

8:グループリーグから決勝に至るまでの試合が、2日間で集中的に開催される、1日に2~3試合を行う(オリンピックの場合は3日間)

オリンピックの出場チームは国単位。

 15人制と7人制の違いは、他にもいろいろ存在します。

 たとえばオリンピックでは出場チームが協会単位ではなく、国単位で構成されるため、今回のリオ五輪ではウェールズやイングランドではなく「イギリス」という一種の連合チームが参加することになります。

 これもまたオリンピックならではの面白さですが、それ以上にクローズアップされるのは、7人制独特の試合の分かりやすさと、波乱や番狂わせの多さになるはずです。

 7人制のラグビーは、15人制に比べて選手の数が少ないだけでなく、コンタクトプレーも少ないため、ラグビーに詳しくない人にとっても、試合の内容がとてもわかりやすくなっています。

【次ページ】 春の3つの大会は、すべて優勝国が違う事態に。

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