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NBAファイナルが一方的な展開に。
「超人」は「民主化」に勝てない?
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byAFLO
posted2016/06/06 17:30
カリーに激しいマークをつけるキャバリアーズだが、そうすればするほどに周りが空く、という悪循環に陥っている。
レブロンとアービングが超人的な活躍をするしかない。
第3戦は日本時間の9日(木)、クリーブランドに舞台を移して行われる。NBAの場合、会場が変わればレフェリングも大きく違うし、キャバリアーズにも反撃のチャンスはあると思う。
さて、キャバリアーズに民主化の進んだウォリアーズのオフェンスを止めることが出来るのだろうか? 現状では極めて厳しいと言わざるを得ない。ディフェンス面での「回答」が見えてこないのだ。
ウェスタン・カンファレンスには、ウォリアーズの他にもスパーズなど、オフェンスの民主化を積極的に進めているチームがあるが、キャバリアーズが所属するイースタン・カンファレンスにはまだ少なく、ディフェンス面での対応が後手に回っている印象がある(ホークスとセルティックスが目立っているが、ウォーリアーズ、スパーズほどではない)。
では、第3戦、第4戦の鍵はどこにあるのか。
やはり、キャバリアーズはレブロンとアービングの超人的な活躍に活路を求めるしかなさそうだ。
しかし、そうした展開になれば、カリーとトンプソンの「スプラッシュ・ブラザース」がシステムを味方に、自分たちがどんどんシュートを打って対抗していくだろう。
民主化は平等を保障するだけでなく、スター・シューターを輝かせるシステムでもある。
このファイナル、ウォリアーズが圧倒的に優位に立った。