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モーリス1着は岩よりも堅い……か?
あまりの強さに少頭数な安田記念。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2016/06/04 08:00
香港チャンピオンズマイルを快勝したモーリス(左)。騎手がレースごとにかわっているが、それでも勝ち続けるのは馬の力である。
帰国初戦の2強に対し、イスラは万全。
おそらく、人気面ではモーリスとリアルスティールの「2強」となるだろうが、2頭とも帰国初戦であるのに対し、イスラボニータ(牡5歳、父フジキセキ、美浦・栗田博憲厩舎)は、国内で叩き3戦目と理想的なローテーションだ。東京は[4-1-3-1]と得意にしており、一昨年、昨年と2年連続3着になった天皇賞・秋のレースぶりなどから、逆転があっても不思議ではない。
サトノアラジン(牡5歳、父ディープインパクト、栗東・池江泰寿厩舎)の前走、京王杯スプリングカップも強烈だった。上がり3ハロンは32秒4。あの脚を使ったことで、眠っていたDNAを自ら覚醒させた可能性がある。池江厩舎と「サトノ」と言えば、先週のダービーで鼻差の2着に惜敗したサトノダイヤモンドが思い出される。そのダービーを勝った川田将雅を背に、オーナーに初めてのGIタイトルをプレゼントできるか。
モーリスの1着は岩よりも堅そうだが……。
モーリスには2戦2敗だが、コンテントメント(せん6歳、父ヒューソネット、香港・ジョン・サイズ厩舎)も、ここで上位争いできる力の持ち主だ。サイズ調教師は安田記念に過去のべ7頭の管理馬を送り込んでおり、2008年はアルマダで2着。鞍上のブレット・プレブルは、'06年にブリッシュラックでここを勝っている。
ミルコ・デムーロのロサギガンティア(牡5歳、父フジキセキ、美浦・藤沢和雄厩舎)も、勝ち切るまではどうかだが、流れ次第では2、3着ならあるかもしれない。
あとは、しぶとい脚を使うクラレント(牡7歳、父ダンスインザダーク、栗東・橋口慎介厩舎)と、武豊が「一発狙い」の乗り方をしてきそうなディサイファ(牡7歳、父ディープインパクト、美浦・小島太厩舎)あたりか。特に後者は、詰めの甘い印象がマイルで鋭さに転じるような気がする。
ということで、結論。
◎モーリス
○リアルスティール
▲イスラボニータ
△コンテントメント
×サトノアラジン
注ディサイファ
モーリスの頭は岩より堅いように思われるが、しばしば岩が崩れるのが競馬というものだ。オッズと相談しながら、イスラボニータとディサイファの単複も買ってみたい。