伊藤四郎の名言
プロ野球は趣味やない。職業なんや。陽が当たろうが、当たろまいがプロはプロに徹する必要がある。
伊藤四郎(プロ野球)
2016/04/22
1953年に誕生し、わずか3年で消滅。かつてパ・リーグに高橋ユニオンズというチームがあった。親会社に頼らない独立採算制を目指し、プロ野球史上唯一、オーナーの個人名を冠した球団だった。他球団をお払い箱になったロートルや酒で身を持ち崩した選手で構成されたチームは“ポンコツ集団”と揶揄された。勝率は4割に満たない。「あのチームは確かに史上最弱やぞ。そやけどな、ユニオンズが目指したことは今もプロ野球の課題として残っとる」と、エースだった伊藤は語る。「僕がいいたいんは、ユニオンズの選手がすべての面でハングリーやったということよ。今の選手との差はそこにあるんやないか」「今の選手たちはそこの意味をもう一回見つめなおさんとあかん。娯楽としての原点がファンにあることを知るべきや。ええか、野球は間違いなく国民的スポーツやったんやで」。野球賭博問題で揺れる現在のプロ野球界にとっては、耳が痛い言葉であろう。
Number572号(2003/03/20)