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昨年石川遼が戦った「小数点の戦い」。
米のシード権は“中位”が大事。
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byAFLO
posted2016/03/26 10:40
優勝が消えた終盤は、つい集中が途切れるもの。しかし石川遼は、終盤の1打の重みを誰よりも感じたことだろう。
昨年の石川遼は、小数点の戦いでシードを獲得。
結局、何が言いたいか。
せっかく進んだ決勝ラウンドにおいて、仮に上位でプレーできなかったとしても、投げやりになるのは実に勿体ない。中位の争いにおいても、ひとつでも順位を上げる姿勢を米ツアーのシステムは歓迎してくれている。
優勝争いはゴルフトーナメントの華だが、決勝ラウンドに進んで4日間戦うこと、思い通りに行かなくとも最後まで懸命に1打にこだわること自体がプロの「仕事」。大会側にしてみれば、予選落ちが少ない選手は、用意した週末の舞台に必ずや立ってくれる役者として貴重だ。
岩田のランキングは3月20日時点で99位(239ポイント)。
昨季はレギュラーツアー最終戦後、124位から126位までの選手がボーダーライン上の458ポイントで並んだが、石川遼は小数点以下で2人を上回り、124位でシードを確保した。
石川はその戦いを「奇跡ですよ。奇跡」と表現した。
なんだか最後まで歯が浮きそうなフレーズで恐縮だが、「奇跡」を起こすためには無駄な1打なんてない。
上位で戦えなくても、本調子でなくとも最後まで気を抜いちゃあ、やっぱりダメ。日々の積み重ねが職場確保につながるのである。
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