野球のぼせもんBACK NUMBER
SB・本多雄一が挑む正二塁手奪還。
攻守に改造し、明石と川島に挑む!
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byNanae Suzuki
posted2016/02/24 10:30
昨年の日本シリーズ、本多は5戦中4試合に途中出場したものの、ほとんどが代走や守備固めだった。今季の捲土重来はなるか。
免除された秋キャンプ、そして「工藤塾」に志願。
「日本シリーズ2連覇を達成した瞬間から、次の3連覇へと目標は切り替わっているんだ」と熱弁をふるったのは工藤公康監督。それを誰よりも体現していたのが本多ではなかろうか。
ほとんどの主力やベテランが免除される秋のキャンプに参加。工藤監督が若手投手の精鋭5人を対象に特別メニューを課した「工藤塾」にも志願して加わった。
「監督から『野手は特にきついぞ。次の日、何もできなくなっちゃうぞ(笑)』と言われて、初めて参加した翌朝は本当にベッドから起き上がることができませんでした。2度目以降は慣れもあって大丈夫でしたけど」
それはしんどかったね――と筆者が言葉を掛けると、本多は少し考えて首を横に振った。
「しんどくはない。きつかったですけど。しんどいって言葉とは、何か違うんですよね」
そして本多は言った。
正二塁手奪回へモデルチェンジで挑む。
「'15年は代打の難しさなど勉強になる経験をたくさんした。でも、きつい1年でした。それを無駄にしたくない。最悪を最高に変える'16年にしないといけないんです」
'16年春、本多は正二塁手奪回へ、モデルチェンジをして臨んでいる。
打撃を改造した。「まずはヒッチをしないように」。打ちにいく際に、一度バットが下がってからトップを作りにいく癖を修正。そしてほぼノーステップで、右半身にカベを作るイメージでバットを振る。軸回転を強く意識している。
「直球系に弱いというデータが出ていた。振り負けないように」
16日の紅白戦では五十嵐亮太の直球を右翼線へ二塁打。この日はさらに東浜巨の直球も左中間へ運んで三塁打とした。