フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
羽生結弦の新記録支えるB・オーサー。
彼も昔、フィギュアの革新者だった。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2015/12/22 10:50
GPファイナル、世界最高得点が発表された瞬間の羽生とオーサー。プライベートでも仲が良く、揺るぎない師弟関係で結ばれている。
そして30年後……コーチとして。
彼の世代の技術を進化させたキーパーソンであったオーサーが、その30年後にこうして再びコーチとして現代のキーパーソンである羽生結弦、そしてハビエル・フェルナンデスを指導しているというのは、とても興味深い。歴史は繰り返す、ということに違いないのだ。
フィギュアスケートは、このようにジャンプの過度期というものが定期的に訪れる。これ以上、技術的に難しいことは無理なのではという段階に到達すると、次の世代にはそれらの技術プラス芸術面をプッシュしてくる選手が出現する。
それが一段落すると、また技術的に次のレベルに挑戦する選手たちが出現、というようにしてこのスポーツは発展していった。
「現在、シニアの男子は丁度良いスピートで進化していっていると思う。ただジュニア男子にとっては、早すぎますね。ジュニアGPファイナルでは、それが誰の目にも明らかでした」
今回のバルセロナGPファイナルでのジュニア男子は、フリーで誰もが4回転を2回以上プログラムに組み入れてきたが、ノーミスで滑りきった選手は皆無だった。
現在世界の男子を牽引する羽生結弦が、今週末の全日本選手権でどのような演技を見せてくれるのか。世界中が楽しみにしている。