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“出世レース”阪神JF、今年は混戦。
メジャーエンブレムが孝行娘になる!?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/12/12 08:00
新馬戦で33.8秒、その後の2戦も34秒台前半という上がりタイムはメジャーエンブレムの能力の高さを感じさせる。
ダイワメジャー産駒は4頭、ディープ産駒は3頭。
ダイワメジャー産駒はほかに3頭が出走しており、どれも一発あってもおかしくない馬ばかりだ。なかでもクードラパン(美浦・久保田貴士厩舎)は、未勝利、500万下特別とマイル戦を連勝した内容がよく、爆発力ある母系の出身だけに面白そうだ。マリアライトでエリザベス女王杯を制した勢いのある厩舎で、鞍上は、内を突く思い切った騎乗で穴をあけることの多い田辺裕信。外国人騎手の派手な勝ちっぷりが目立つなか、痛快な手綱さばきを期待したくなる。
メジャーと2歳リーディング種牡馬を争うディープインパクトの産駒は3頭。こちらも粒揃いで、特にキャンディバローズ(栗東・矢作芳人厩舎)は、1着から4着まで同タイムだった前走のファンタジーステークスを制したように、接戦に強いタイプだ。
ほかの2頭、函館2歳ステークスの覇者ブランボヌール(栗東・中竹和也厩舎)と、ここ2戦、勝ち馬と同タイムの2着に逃げ粘っているメジェルダ(栗東・昆貢厩舎)も上位争いする力はある。
馬名のジェンダーフリー化が進行中?
このレースに最も多くの産駒を送り出している種牡馬はステイゴールドで、5頭。そのなかでは、勝ち馬に離されたとはいえ、新潟2歳ステークスで2着となったウインファビラス(美浦・畠山吉宏厩舎)が、タフな戦いに最も強そうなタイプだ。大きく崩れることのないクロコスミア(栗東・西浦勝一厩舎)や、これらをアルテミスステークスで負かしたメイショウサムソン産駒のデンコウアンジュ(栗東・荒川義之厩舎)も差はない。
ここで結論。
◎メジャーエンブレム
○クードラパン
▲キャンディバローズ
△ブランボヌール
×ウインファビラス
注クロコスミア
メジャーエンブレムという馬名は、牡馬につけてもいいような響きだ。ラブリーデイとかノンコノユメのように、牝馬のような名の牡馬が強いというトレンドがあるので、その逆があっても面白い。
2歳リーディング種牡馬争いとあわせて、楽しみたい。