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菊花賞の主役はダートからの転向馬!?
キズナに通じるリアファルの対応力。

posted2015/10/24 08:00

 
菊花賞の主役はダートからの転向馬!?キズナに通じるリアファルの対応力。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

芝転向からルメール騎手に乗り変わり、現在2連勝。リアファルの底はまだ見えていない。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 今週末は、クラシック三冠のラストを飾る第76回菊花賞(10月25日、京都芝外回り3000m、3歳GI)が行われる。春の二冠を圧倒的な強さで制したドゥラメンテは骨折のため不在だが、皐月賞2着馬もダービー2着馬も、そして、別路線から殴り込みをかけてきた上がり馬も、最後の一冠を、虎視眈々狙っている。

 もし「競馬界の七不思議」を数え上げるとしたら、かなりの確率でそのひとつに入りそうなのが、「ディープインパクト産駒は芝3000m以上で未勝利」ということだ。

 菊花賞で馬券に絡んだのは、2011年に3着になった初年度産駒のトーセンラーと、'13年の2着馬サトノノブレスだけ。3200mの天皇賞・春でも馬券圏内に来たのは'13年のトーセンラーだけで、あのキズナでさえ'14年は4着、'15年は7着に敗れている。

 産駒がデビューしてからまだ数年だし、3000m以上のレースが少なくなっているということを考えても、ほかの距離での活躍が華々しいだけに、やはり気になる。

 そして今年の菊花賞で有力視されている皐月賞2着馬もダービー2着馬も、ともにディープ産駒である。

 はたして最強馬の血は、このジンクスを打ち破ることができるかどうか。

理想的なトライアルを経たリアルスティール。

 ということで、まずは皐月賞2着馬のリアルスティール(牡、父ディープインパクト、栗東・矢作芳人厩舎)から見ていきたい。

 新馬戦を勝っただけのキャリアで臨んだ2月の共同通信杯を優勝。ドゥラメンテを2着に下し、クラシック戦線で主役を張る一頭となった。2番人気で臨んだ皐月賞は、直線で抜け出し、勝ったかと思われたところで、ドゥラメンテの豪脚に屈して2着。ダービーでは、レース中に発症した可能性のある骨折の影響か、4着に終わった。

 秋初戦の神戸新聞杯では、道中行きたがるのを中団馬群のなかでなだめられ、4コーナーからスパート。直線で逃げたリアファルを追い詰めるも、2馬身差の2着だった。が、休み明けとしては上々の内容で、トライアルを本番に向けての理想的な「試走」にしたと言えよう。

 父がディープで母の父がストームキャットというのは、キズナやラキシス、エイシンヒカリなどと同じ配合。

 主戦の福永祐一が「GIを勝たなければならない馬」と言っているように、底力は世代トップクラスだ。昔から「強い馬が勝つ」と言われている菊花賞で、この馬が父の血にまつわるジンクスを吹き飛ばす可能性は、けっして小さくない。

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