まだ未定――ふたりの競技復帰。

　さてもっとも気になるのは、やはり彼らに競技復帰の予定があるのかどうかということだろう。ソチオリンピック直後は、1シーズン休みをとって復帰すると語っていた彼らだが、いくらか心境の変化があったようだ。

「復帰するにせよ、しないにせよ、ぼくたちはプレッシャーを感じてはいません」とホワイト。

「ぼくたちは競技スケーターとして、取れるタイトルは全て手に入れました。競技に戻るのなら、中途半端なことはしたくない。絶対に戻りたい、という理由が見つかればやるけれど、他にやることがないので戻るということはないと思います」

　デイビスはこのように説明した。

「また競技に対する闘志が、すっかり消えてしまったわけではありません。でもそれが正当なところから来ている闘志なのかどうかは、まだ時間をかけて考えてみないとわからないと思います」

　過去20年近くスケートのトレーニング中心の生活をおくってきた彼らにとって、現在ようやく普通の暮らしを堪能しているところなのだという。この夏、ホワイトは長年交際をしてきたトリノオリンピック・アイスダンス銀メダリストのタニス・ベルビンと挙式をあげた。

「毎日が充実していて、快適な日々を送っています」というホワイトにとって、これから再び過酷な戦いの場に戻る理由は果たして見つかるのだろうか。

　ソチオリンピックの王者たちが再び同じ大会で顔を揃えることがあるのかどうか、鍵を握るのは彼らになるだろう。