沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
短くも実り多かった2015年の夏競馬。
世界の騎手大集合と、怪物候補たち。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/09/08 10:30
世代最初の重賞である函館2歳Sを圧勝したブランボヌール。岩田康誠騎手、中竹和也調教師も絶賛でクラシック戦線に名乗りをあげた。
2歳Sでは17頭抜きの怪物候補も!
夏競馬というと、函館、新潟、札幌、小倉の各競馬場で行われる2歳ステークスが、年末の2歳GIや来季のクラシックにどうつながっていくかも大きな楽しみになっている。
今年の函館2歳ステークス(7月26日、函館芝1200メートル、GIII)を勝ったブランボヌール(牝、父ディープインパクト、栗東・中竹和也厩舎)は、一流のスプリンターになる可能性を秘めている。
新潟2歳ステークス(8月30日、新潟芝1600メートル、GIII)で、ロードクエスト(牡、父マツリダゴッホ、美浦・小島茂之厩舎)は、最後方から上がり3ハロン32秒8の末脚で17頭をゴボウ抜きにする凄まじいパフォーマンスを見せた。怪物かもしれない。
札幌2歳ステークス(9月5日、札幌芝1800メートル、GIII)を制したアドマイヤエイカン(牡、父ハーツクライ、栗東・須貝尚介厩舎)も、ロードクエスト同様、来春のクラシックが楽しみな馬だ。
小倉2歳ステークス(9月6日、小倉芝1200メートル、GIII)で圧倒的1番人気に支持されたシュウジ(牡、父キンシャサノキセキ、栗東・橋口弘次郎厩舎)は、直線で楽に抜け出し、1400メートルの新馬戦、1600メートルの中京2歳ステークスにつづく無傷の3連勝を飾った。能力に幅のある逸材である。
秋に向けキズナらビッグネームも着々準備中。
といった若駒のほか、春は力を出し切れなかったキズナ(牡5歳、父ディープインパクト、栗東・佐々木晶三厩舎)をはじめ、天皇賞・春を勝つも、3連覇がかかった宝塚記念のゲートで課題の気の悪さを見せたゴールドシップ(牡6歳、父ステイゴールド、栗東・須貝尚介厩舎)、その宝塚を制したラブリーデイ(牡5歳、父キングカメハメハ、栗東・池江泰寿厩舎)、完全復活が期待された札幌記念で8着に惜敗した昨年の菊花賞馬トーホウジャッカル(牡4歳、父スペシャルウィーク、栗東・谷潔厩舎)といった古豪も、秋に向けて爪を研いでいる。
今年は凱旋門賞に出走を予定している日本馬がいなくなってしまったが、もし出ていれば……と思わせてくれたルージュバック(牝3歳、父マンハッタンカフェ、美浦・大竹正博厩舎)もいる。
実りの秋は、すぐそこだ。