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-72の阪神首位、+26で広島6位!?
得失点差と順位の“異常”な関係性。
posted2015/06/27 11:00
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Nanae Suzuki
6月23日、セ・リーグから「貯金」が消えた。
6球団で、勝ち越しているチームがないという異常事態に陥った。スポーツ新聞の見出しには「セ界恐慌」の文字が躍ったが(うまいものだ)、「パ・リーグより弱いだけでしょ」と一刀両断する向きもある。
24日には阪神が広島に勝ち、貯金1で単独トップに立ったが、私から見て、もっと異常な数字がある。
「得失点差と順位」の関係だ。
プロ野球はシーズンを通して戦うものだから、基本的に「平均値」の高さを競う。だから、自然と得失点差の順位がそのまま順位になることが多い。たとえば、パ・リーグ(6月24日現在)。
首位のソフトバンクは得点、失点ともにパ・リーグのナンバーワン。戦力の充実ぶりがうかがえる。
2位の日本ハムと3位の西武が得失点差でも僅差、4位以下はマイナスになっている。楽天がマイナスなのに、星が五分なのはブルペンが安定していて、勝ちゲームは逃がさないからだ。
どかんと勝つが、接戦をモノにできないオリックス。
それにしても、オリックスはマイナス7でしかないのに借金は14。勝つときはどかんと勝つが、接戦をモノに出来ない戦いぶりが浮かび上がってくるが、こうしたチームには上がり目も期待できる。
今季のパ・リーグの順位は、得失点差をしっかりと反映していると思う。
ところが、セ・リーグは――。見てびっくりだ。