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ハビエル・フェルナンデスが3連覇!
欧州フィギュアで26年ぶり偉業達成。
posted2015/02/02 16:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
AP/AFLO
1月26日から2月1日にかけて、スウェーデンのストックホルムで欧州選手権が開催された。実はこの大会、1891年にドイツのハンブルクで男子競技のみで開催されたのが初回。その創設は世界選手権よりも5年ほど早かったのである。途中、第一次および第二次世界大戦などで何度か開催が見送られたことはあったものの、世界でもっとも歴史ある、由緒ある競技会であると言える。
ミスはするもトップを保ったフェルナンデス。
優勝したのは、大方の予想通り今シーズンで3年連続のタイトルとなる、スペインのハビエル・フェルナンデスだった。
もっとも内容的には、決してフェルナンデスにとってベストな演技ではなかった。SPでは4回転サルコウでステップアウトし、3ルッツ+3トウループの2個目のジャンプも着氷がステップアウト。それでも89.24でトップに立った。
フリー『セビリアの理髪師』では、冒頭の4トウループは完璧な着氷だったが、後半の4サルコウでしりもちをついてしまうなど、いくつかミスが出た。だが5コンポーネンツのうち、振付と解釈の2部門で9点台の評価を得て173.25を獲得。総合262.49で念願の3連覇を果たした。
26年ぶりとなる欧州選手権での男子3連覇。
「ベストな演技ではなかったけれど、今回の3つ目のメダルは、今までの欧州選手権金メダルよりも意味がある。1989年以降、この大会を3連覇した男子はいなかったから」と、フェルナンデスは優勝会見でコメントした。
彼の言うとおり、この前に3連覇を果たしたのは1987年から1989年にかけて優勝した旧ソ連のアレクサンドル・ファデーエフが最後だった。合計7個の欧州選手権タイトルを持っているプルシェンコですら、最初の数年はアレクセイ・ヤグディンと勝ったり負けたりの死闘を繰り広げ、後半は怪我などにも悩まされて2年しか連覇できていない。