スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
イチローとマイアミの空。
~マーリンズ移籍で3000本安打は?~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byKYODO
posted2015/01/24 10:40
2014年12月のイチロー杯争奪学童軟式野球大会で、少年たちを激励するイチロー。今オフも神戸で自主トレを行ない、キャンプインに備えている。
天才的な技量と選手寿命の両立を。
まあ、先のことをあれこれ臆測しても仕方がない。DH制がなくても、ナ・リーグお馴染みのダブルスイッチでの出場機会はけっこう増えるだろうから、ある程度の打席数は確保できるのではないか。それよりもなによりも、このマーリンズが、マックス・シャーザーを獲得して超強力な投手陣を形成したナショナルズと同地区のチームという事実が胸を躍らせる。ア・リーグ中地区と並んで、ナ・リーグ東地区は興味津々の激戦区になるにちがいない。
そんなわけで、イチロー・ファンの私としては、彼の周到なコンディション作りと幸運の到来を望むだけだ。41歳という年齢を取り上げて喋々するのは、アメリカ・メディアの近視眼的な悪癖だと思う。10年前と同じイチローを見ることはできないにせよ、温暖なマイアミで野球人生の晩節をまっとうする彼の姿を見るのも悪くない。あと1年だの2年だのとしみったれたことをいわず、天才的な技量と常識外れの選手寿命が両立することを、イチローは身をもって証明してくれるかもしれない。