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ボランチか、トップ下か。
ウィルシャーを巡る「天職」論争。
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山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2014/10/20 10:40
![ボランチか、トップ下か。ウィルシャーを巡る「天職」論争。<Number Web> photograph by Getty Images](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/c/1/350/img_c1ac7525cbd262fca8f6cc4d7ac75390378295.jpg)
今は「自信を持ってプレーしている」と語ったウィルシャー。トップ下からボランチに移ってさらなる才能を発揮することができるか。
ピルロ、マスチェラーノ、シャビ・アロンソという手本。
当人も、中盤の底を代表での定位置にしようと必死だ。スイス戦後には、アンドレア・ピルロやハビエル・マスチェラーノのプレーを見て学んでいると発言。エストニア戦前には、チームスタッフから参考資料として渡されたシャビ・アロンソのハイライト映像にも目を通し、効率的かつ効果的なプレーメイクをレパートリーに加えようと取り組んだのだという。
18歳での代表デビューから4年、足首をはじめとする怪我の連続で失った時間と存在感を取り戻す覚悟が窺える。
ちなみに、名うての各国代表センターハーフが引き合いに出されたのは、今回の予選開始後が初めてではない。思い返せば3年前の2月、ウィルシャーに代表先発デビューの機会を与えたファビオ・カペッロ監督も、本職とされたトップ下から中盤の底に持ち場を変えたピルロの成功例を挙げて、「迫力」が先行しがちなイングランド人MFには珍しく、タッチの良さが可能にする「キープ力」が光る逸材への期待を表現していた。
カペッロから与えられたポジションは、センターハーフ。高名なイタリア人監督をして「尋常ではない能力を持つ若者」と言わしめた当時のウィルシャーには、先発デビュー自体は可もなく不可もない45分間だったにもかかわらず、メディアも「イングランド新世代の旗手」として期待を寄せたものだ。
度重なる怪我の悪夢に別れを告げ、代表でも連戦が可能になった今季のウィルシャー。再び、肯定的に「新生イングランドの象徴」と評される日が待たれる。
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