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CSファーストステージは3位が有利!?
オリックスvs.日本ハムを徹底予想。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNanae Suzuki
posted2014/10/10 16:30
25歳での打点王は球団史上最年少タイ。名実ともに日本の4番に成長しつつある中田翔。
投手陣的には、オリックスやや優位か。
しかしながら、12球団ダントツトップの防御率2.89を誇っていることもあり、「オリックス優位」の図式がなんとなくでき上がっている。
防御率と勝利数二冠の金子千尋、最多セーブの平野佳寿、最優秀中継ぎの佐藤達也と、タイトルホルダーが3人いるのは戦力としてもかなり大きい。
ほかにも、12勝を挙げた西勇輝にディクソン、松葉貴大のローテーション投手。そして、比嘉幹貴、岸田護、馬原孝浩、中山慎也ら中継ぎ陣の安定感は、今季のオリックスの躍進を語る上で欠かせない要因となった。
だからといって、日本ハムの投手陣が劣るとは限らない。
2けた勝利こそ11勝をマークした大谷翔平ひとりだけだが、上沢直之、メンドーサ、中村勝、浦野博司とスターターの駒は揃っている。しかも、中継ぎを務める宮西尚生、谷元圭介、クロッタ、抑えの増井浩俊の全員が防御率2点台以下。ゲーム終盤の支配力は、むしろオリックスを凌いでいる。
両軍とも甲乙つけがたい攻撃力。
攻撃力は両軍とも甲乙つけがたい。
チーム成績からいっても、オリックスは打率2割5分8厘、584得点、110本塁打、126盗塁。日本ハムは2割5分1厘、593得点、119本塁打、134盗塁とほぼ互角である。
そうなると、チームの命運を分けるキーマンは中軸。特に、4番の働きがポイントになってくるはずだ。
オリックスの主砲・ペーニャは、シーズン終盤までタイトル争いを演じるなど32本塁打、90打点と移籍1年目から結果を残した。
ただ、気がかりなのが決定力不足だ。
3割に満たない得点圏打率2割9分7厘は高いとは言えない。しかも、ソフトバンクに優勝を許した10月2日の試合では、延長10回の2死満塁でショートファウルフライに倒れるなど、合計3度の得点圏のチャンスで凡打に倒れている。その後遺症は残っていないだろうが、「負けたら終わり」のCSにおいては、不安材料と言わざるを得ない。