メルマガNumberダイジェストBACK NUMBER
まさかの阪神復帰、先発再転向?
岡田彰布が語る愛弟子、藤川球児。
posted2014/09/16 16:30
text by
岡田彰布Akinobu Okada
photograph by
Sports Graphic Number
メルマガ「野球の神髄~岡田彰布の直言~」。
最新号の中身をちょっとだけ……特別にご紹介いたします!
◆………………………………………………………………………………………◆
今週の目次
◆………………………………………………………………………………………◆
【1】 “失速の9月”が現実に……。阪神はもはや終戦したのか?
~「油断しとったらDeNAに追い抜かれるで」~
【2】 藤川球児、メジャーから阪神に電撃復帰!?
~先発再転向で輝きはよみがえるか~
【3】 読者の質問に「そら答えるよ」。
~岡田彰布のズバリ回答~
……………………………………………………………………………………………
【2】 藤川球児、メジャーから阪神に電撃復帰!?
~先発再転向で輝きはよみがえるか~
……………………………………………………………………………………………
──前号では阪神が調査しているという中島裕之の話をうかがいましたが、今年で契約が切れるカブスの藤川球児も調査しているという報道がありました。しかも、獲得する場合は先発転向も視野に入れているとか……。
岡田:そんな記事もあったな。もちろん決まった話ではないやろ。
──あくまでも観測記事ですよね。しかし、藤川球児は岡田さんが育てたといっても過言ではない投手です。先発からリリーフに転向させたのは、岡田さんの決断でしたが、その判断材料はなんだったんですか?
岡田:ファームで投げてるのを見ていて、藤川はスタミナがないのが分かってたからなあ。決して悪い球ではなかったけど、80球前後でガクッと球威が落ちて、打たれることが多かったんよ。
おまえには先発は無理や、プロとして生き残りたいなら中継ぎで成功するしかないぞと、オレが直接、最後通牒を突きつけた。
「先発にこだわってたら、今ごろ野球してないと思うで」
──本人には先発へのこだわりみたいなのはなかったんですか?
岡田:うーん、どうやろうな……。でも、先発にこだわってたら、今ごろ野球してないと思うで。
──そんな崖っぷちのところからリリーバーに転向して、才能が開花したわけですから、まさに適材適所の配置転換でした。
岡田:指導者は選手の資質を見抜いて、良さを引き出してやらなアカン。選手の起用方法やポジションを判断するんは、首脳陣やからな。
──本来ならばスパッとクビになってもおかしくないのに、再起のチャンスを与えてもらった藤川は感謝してるでしょうね。
岡田:そうやと思うで。でも、情とかそういうんではなく、勝つためにやったことやからなあ。先発では使い物にならないと判断したから、リリーフに配置転換した。戦力を有効活用しただけのことなんやけどな。
──岡田さんは「手持ちの駒を工夫して足りない戦力を補う」という考えですものね。
岡田:なんでもかんでも外から引っ張ってくるというのは、好きちゃうからなあ。補強というのは、どうしても足りないときに手を出すものだと、オレは思ってる。
──「阪神に足りないのは先発投手」とおっしゃっていましたよね。今の阪神には呉昇桓というクローザーがいますが、藤川が先発に再転向するなら……。
岡田:いや、それは無理やろ。通用せえへんと思うわ。先発には藤川の生きる道はない。