MLB東奔西走BACK NUMBER
昨オフから始まっていた“長期計画”。
黒田博樹がピークを設定した「秋」。
posted2014/08/03 10:50
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph by
Getty Images
8月を迎え、MLBも後半戦が熱を帯びてきた。
そんな後半戦を、シーズン開幕前からどう乗り切るか、考え試行錯誤してきた選手がいる。ヤンキースの黒田博樹投手だ。
先発の柱として期待されたCC・サバシア投手、田中将大投手らが次々に戦線離脱する中、黒田は開幕からたった1人、先発ローテーションを守り続ける、孤高のエースとなっている。
ヤンキース・ファンからは、否応なしに後半戦の投球を注目される存在だ。だからこそ尚更に8、9月のパフォーマンスを意識せざるを得なくなっている。
「ちょっとピークを遅らせようかなと思ってます」
話は1月の自主トレまで遡る。
何度か自主トレ取材に回りいろいろな話題で盛り上がり、とりとめのない会話をしている時だった。黒田が何気なく呟いたのだ。
「去年、一昨年と最後はかなりしんどかったです。今年はちょっとピークを遅らせようかなと思ってます」
黒田の説明では、ヤンキースに移籍した2012年から2年連続でシーズン終盤に多少、ガス欠状態になっていたというのだ。
ヤンキースのような、プレーオフ進出が至上命題のような強豪チームでエースとして期待される立場としては、看過できないことだったのだろう。そこで、今年のオフはシーズン終盤からプレーオフを見据えた調整を目指していたのだ。
2012年から2014年7月までの黒田の月別成績をご覧頂こう。
●黒田博樹投手 2012~14シーズンの月別成績
2012 | 2013 | 2014 | ||||
勝敗(登板数) | 防御率 | 勝敗(登板数) | 防御率 | 勝敗(登板数) | 防御率 | |
3/4月 | 2勝3敗(5試合) | 3.69 | 4勝1敗(6試合) | 2.25 | 2勝2敗(5試合) | 5.28 |
5月 | 2勝3敗(5試合) | 4.25 | 2勝2敗(5試合) | 2.56 | 2勝1敗(6試合) | 4.00 |
6月 | 4勝1敗(6試合) | 1.98 | 1勝3敗(6試合) | 3.92 | 1勝2敗(5試合) | 3.52 |
7月 | 2勝0敗(5試合) | 3.60 | 3勝0敗(5試合) | 0.55 | 2勝2敗(6試合) | 3.27 |
8月 | 2勝3敗(6試合) | 2.35 | 1勝4敗(5試合) | 5.12 | ||
9/10月 | 4勝1敗(6試合) | 4.71 | 0勝3敗(5試合) | 5.70 |
※7月31日現在