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<最強ドイツのメンタリティー> ピエール・リトバルスキー 「栄光の鍵はエゴとハーモニー」
posted2014/05/28 11:00
text by
田邊雅之Masayuki Tanabe
photograph by
AFLO
決勝ではマラドーナ率いるアルゼンチンを封殺した西ドイツ。
その勝利に至るまでに“2度の失敗”を経験した
リトバルスキーだからこそ語ることができる、
王座に就くに足る者が携えるべき精神とは――。
その勝利に至るまでに“2度の失敗”を経験した
リトバルスキーだからこそ語ることができる、
王座に就くに足る者が携えるべき精神とは――。
――1982年から'90年にかけ、西ドイツ代表はW杯優勝1度、準優勝2度に輝きました。驚異的な強さの秘密から聞かせて下さい。
「最初の理由としては、人材の豊富さが挙げられる。ドイツには個性の強い一流選手が常に揃っていた。二つ目は経験の蓄積だね。
チームの花形スター、僕たちの頃で言えばマテウスのような選手は、所属クラブでは自由にプレーできる。しかし代表に来れば、同僚に譲らなければならない部分が出てくる。僕たちの頃のドイツ代表には、デリケートな問題を自分たちで解決していく賢さがあったんだ。
ただし、最初から順調だったわけじゃない。むしろ'82年大会の時には、ベテラン選手が判断を誤り、チームに混乱を招いている」
――具体的には?
「スペイン大会は初戦で躓いた。本来ならばこういう時こそチームが団結しなきゃならないのに、ウリ・シュテーリケという選手は、サポーターに対して『自分は一生懸命プレーしている』とアピールしたんだ。これは『他の選手は必死にプレーしていない』と主張するのとなんら変わりない。さらにはメディアに対して、帰国したいと公言するFWの選手まで出てきてしまった。しかも監督は断固とした態度を取らなかったんだ。