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純朴な“怪物”逸ノ城の大いなる野望。
~史上最速の新十両、その威圧感~

posted2014/05/18 06:00

 
純朴な“怪物”逸ノ城の大いなる野望。~史上最速の新十両、その威圧感~<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

横審の稽古総見に参加した逸ノ城。ぶつかり稽古ではモンゴルの先輩・玉鷲の胸を借りた。

text by

佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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photograph by

SANKEI SHIMBUN

 3横綱が揃い、初まげ姿の遠藤が話題となった5月場所が、にぎにぎしく幕を開けた。十両の土俵で耳目を集めるのは、モンゴル出身初の幕下15枚目格デビューから、史上最速所要2場所で新十両昇進を決めた逸ノ城(いちのじょう)だ。「モンゴルの怪物」と形容されるその巨体は、公称191cm、186kg。21歳ながら、「実はまだ身長が伸び続けていて、今は193cmはあるんですよ」と、師匠の湊親方(元湊富士)が、驚きながらも語ってくれた。

 場所前の逸ノ城は貴乃花部屋に単身で「居候」。同郷で同じ鳥取城北高校相撲部出身の貴ノ岩と、連日三番稽古に励んでいた。でっぷりと大きく張った尻と、てっぽう柱のように太い脚。得意の型は右四つで、右を差して引きつけ、胸を合わせた時の圧力は、幕内の貴ノ岩を圧倒するほどの威力を見せつけていた。

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