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マー君のメジャー移籍へ至る、
プロ野球過去10年の“実態”。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNaoya Sanuki

posted2014/01/10 10:41

マー君のメジャー移籍へ至る、プロ野球過去10年の“実態”。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

日本シリーズを制した楽天。試合後のお立ち台では、星野監督が珍しく超満員のスタンドに「春から来てよ」と冗談を飛ばしたが、パ・リーグの観客動員は右肩上がりだ。

着実に動員を伸ばすパ・リーグの充実ぶり。

 この数を見て思うことは、パ・リーグが確実に観客動員を伸ばしているということだ。実数発表になった'05年の数字をもとに前年の観客数を分析すれば、セの水増し率18パーセントに対し、パのそれは30パーセントにもなる。そして、それだけ水増ししても観客動員の比率はセ56:パ44と遠く及ばず、実数発表になった'05年にはセ59:パ41とさらに引き離されている。それが実数発表から8年たった'13年にはセ55:パ45と接近している。

 この人気ぶりは球場に行っても実感でき、日本シリーズでの過去10年の対戦成績にもはっきりと表れている。'04~'13年の日本シリーズでの対戦成績は7勝3敗でパが圧倒。'94~'03年は反対に7勝3敗とセがリードしているので10年間の逆転現象がよくわかる。

 '82~'92年までの11年間にもパが8勝3敗と圧倒したことがあるが、このとき日本シリーズを制したパの球団はすべて西武だった。それにひきかえこの10年間、日本シリーズを制したパの球団は西武2、ロッテ2、ソフトバンク1、日本ハム1、楽天1と分散している。パ・リーグの充実ぶりがよく伝わってくる。

2006年に始まったWBCは、日本の視野を広げた。

 国際大会が大きく注目されたのもこの10年でのことだ。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が2006年に初めて行われ、'06、'09年には日本チームが2大会連続で優勝し、'13年は準決勝で敗退したが3位に輝いている。この大会が行なわれるまでの国際舞台はオリンピックしかなかった。国際舞台と言っても自他ともに認める世界最強国アメリカがマイナーリーガー中心の選手構成だったので、“世界一決定戦”と謳うだけのステイタスがなかった。

 WBCに対してもアメリカが最強メンバーを選出していないとか、組み合わせが運営側に恣意的に決められているとかいろいろ指摘はあるが、アメリカチームは全員メジャーリーガーで構成され、キューバ、韓国はナショナルチーム、第3回大会の優勝チームであるドミニカチームにはカノ(マリナーズ)、レイエス(ブルージェイズ)などメジャーを代表する選手が揃い、プエルトリコ、オランダにもメジャーリーガーや日本で活躍する選手がいた。そういう大会で日本は2連覇し、第3回大会では3位に輝いている。

【次ページ】 かつては3Aクラスといわれた日本野球だったが。

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