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<EXILEを支える男に聞く> パフォーマーHIROの肉体。
text by
柳橋閑Kan Yanagibashi
photograph byNaoya Sanuki
posted2013/12/04 06:00
EXILEで10%というと、もうポッチャリ!?
うちの会社(HIRO自らが社長を務める所属事務所LDH)にはキッチンチームがあって、毎日お弁当を作ってくれるんです。僕みたいに絞りたいメンバーや筋肉を付けたいメンバーなど、個々人に合わせてメニューも変えてくれる。それを食べてトレーニングをしていると、自然にベストの身体になっていくという感じです。
そうやってツアー前にトレーニングと食事で身体を限界まで絞り込んだ後は、調整しながら体脂肪率も戻していって、本番では7~8%。ツアーが始まっちゃうと、代謝がよくなっているんで、何を食べてもOK。好きなものを食べられるっていうのが、ツアー中の最大の楽しみですね。
他のメンバーもみんな体脂肪率は一桁ですけど、僕がいちばん落ちるかもしれない。EXILEで10%というと、もうポッチャリという感じになっちゃいます。ステージでは服を脱ぐシーンもあるので、筋肉の出来栄えも大切なんですよ。「普段のトレーニングの成果を見てくれ!」って感じで、みんなうれしそうに脱いでます(笑)。
大きな筋肉をつけすぎた時のライブはやばかった。
ただボディビルみたいに大きな筋肉をつけてしまうと重くて踊れなくなるんで、そこは注意してます。以前、煙草をやめると同時に、ばかみたいに筋トレばかりやってたら、10kg増えちゃったことがあるんです。そのときのライブはほんとにやばかった。そういう試行錯誤もしながら、徐々にいまのスタイルができてきた感じですね。
メンバーが去った舞台の上では、14枚のトラップドアのうち、HIROの1枚だけが静かに閉じられた。
トレーニングで鍛え上げた肉体と、積み重ねた経験のバランスはピークにある。まだ現役を続けられることは本人がいちばんよく知っている。それでもあえて引退の道を選んだのは、彼の人生にとってもっとも大切なEXILEの未来を考えてのことだった。