オリンピックへの道BACK NUMBER
バドミントン全日本選手権、開幕。
女子シングルスに若き才能が続々。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2013/12/01 08:01
今年のオーストラリアオープンでシングルス優勝を飾るなど、進境著しい高橋沙也加。姉の高橋礼華も2013年の日本代表選手だ。
12月2日から8日までバドミントンの全日本総合選手権が開催される。来年の日本代表を決める基準ともなる重要な大会である。
シングルス、ダブルス、混合ダブルスと各種目が行なわれる中で、最も注目されるのが女子シングルスだ。実績のある選手たちに加え、若い世代の台頭も目立ち、激しい争いが予想される。
世界ランキングで日本勢最上位の13位(11月21日現在。以下同)につける高橋沙也加。
オリンピック、世界選手権の次に位置づけられる「スーパーシリーズ」の一つ、フランスオープンで、昨年、同シリーズのシングルスでは日本選手として初となる優勝を飾った三谷美菜津。
北京五輪代表で今年10月のフランスオープンで3位となった廣瀬栄理子。ロンドン五輪代表の佐藤冴香。
2011年に全日本総合選手権を16歳8カ月と史上最年少で制し、日本代表にも選出された奥原希望。何人もの有力候補の名前があがる。
常に上を意識させ、中高生の頃から強化を図る。
長年にわたり日本代表として活躍してきた選手から、奥原のように若手もいるところへ、さらに下の世代の成長も際立っている。それを象徴するのが、今年、スーパーシリーズのヨネックスオープンで優勝し、世界ジュニア選手権でも金メダルを獲得した高校1年生の山口茜。そして世界ジュニア選手権では山口に敗れ銀メダルだったが、アジアユース選手権(19歳以下)シングルスで日本人として初優勝し、ロシアオープンも制した高校2年生の大堀彩の2人である。こうした若い世代が出てきたことで、日本代表のAのメンバー4枠を巡る争いは激しさを増した。
では、なぜ国際大会でも活躍のできる選手が次々と育ってきているのか。
以前、その背景の一つとして、常に「上のカテゴリー」を意識させるバドミントン界の強化について書いた。実業団チームに内定している現役高校生の日本リーグ出場を認めていち早く高いレベルでの実戦を経験できるようにし、中学、高校生の有望選手を見出しナショナルチームとともに強化を図ってきた。
その仕組みによって、若手は技術はむろんのこと、年長者から練習に向かう姿勢なども学ぶ機会を得てきた。