金、石川、池田の壮絶な賞金王争い。
歴史に残る、その死闘のすべて。 

若手3人に競り勝った藤田はベテランの役割を果たした。

「自分のゴルフスタイルは完全に脇役。ただ、最後の3ホールは自分が主役を任されて演じきることができた」

　藤田は、これまで4位止まりだった賞金ランクを自己最高の2位まで押し上げ、海外メジャーの出場権をも手にすることとなった。若手3人の賞金王争いの中で、ツアーを引き締める41歳のベテランは、その存在感をしっかりと示したのだった。

　今季ツアーの総入場者数は12年ぶりに60万人を突破した。これはジャンボ尾崎が最後に賞金王を獲得した'98年以来のことである。

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　石川は「今シーズンももう終わっちゃうんだなと思うとすごくさみしい気持ちになる」と言ったが、会場を訪れたギャラリーやテレビ観戦したファンを含め、多くの人が同じような思いを共有していたに違いない。

　勝敗は決した。

　オールオアナッシング。

　敗者には何も与える必要はないのかもしれない。それでも今は等しく拍手を送りたい気持ちである。