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10年前からのルーニー頼みで、
イングランド代表再建の道は遠い。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2013/06/19 10:31

10年前からのルーニー頼みで、イングランド代表再建の道は遠い。<Number Web> photograph by Getty Images

5月29日ウェンブリーでのアイルランド戦に出場したルーニー。17歳でフル代表デビューして10年。代表歴代5位となる36ゴールをマークしている。

 2014年W杯の開幕まで、あと1年を切った。しかし、イングランドにとっての開催地ブラジルはまだ遠い。予選6試合を終えて、グループ首位に立つモンテネグロと2ポイント差の2位につけてはいるが3位ウクライナとの差は1ポイントしかない。

 背後に迫る予選突破のライバルは、モンテネグロに大勝(4-0)して好調を示したばかり。ウクライナは今秋再開の予選で6戦全敗で最下位のサンマリノと2試合を残しているアドバンテージもある。

 イングランドは、昨秋のウクライナ戦で引き分けている(1-1)。9月のリターンマッチはアウェイ。従って、その前後3試合のホームゲームは全勝の覚悟が必要だ。しかしながら国内では、形勢逆転による予選1位通過への期待ではなく、グループ2位でプレーオフを経由しての予選突破さえ怪しいとの不安が高まっている。

W杯最終予選への準備もままならないイングランド。

 5月29日のアイルランドとの親善試合、イングランドは格下相手に見所のない引き分けに終わった(1-1)。攻撃ではリズム感、守備ではプレスの勢いを欠く内容で、結果も、フランク・ランパードの同点ゴールで辛うじて敗戦を免れたにすぎない。

 続く6月2日は、来年のW杯決勝の舞台、マラカナンスタジアムでブラジルとの手合わせ。やはり引き分けという結果は手にしたが(2-2)、前半は一方的に押された。受身の4-5-1システムでラインは下がる一方。ジョー・ハートのセーブ連発がなければ、3失点でハーフタイムを迎えていても不思議ではなかった。

 結果よりも内容が物を言う親善試合だけに、必勝の予選再開を控えているロイ・ホジソン監督は、主導権を握って勝つためのトライアルに時間を割いてもよかっただろう。

 ブラジル戦の後半、一時的な逆転を可能にした積極的な交代策も、先制されていなければ講じられていたかどうか。スティーブン・ジェラードと、ジャック・ウィルシャーという、中盤の要人2名を手術で欠いたとはいえ、2試合で得た好感触はウェイン・ルーニーの存在ぐらい。

 アイルランド戦ではただ一人スペースを意識した動きを見せ、ブラジル戦では1ゴール1アシストを記録している。但し、ルーニーが持つワールドクラスの能力は、EURO2004当時から明らかであり、今更確認するまでもない。

【次ページ】 前回W杯の結果を糧に復活を期したはずだったが……。

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