フットボール“新語録”BACK NUMBER
欧州サッカーにハリウッドが進出!?
ユーロの舞台裏を仕切るCAAの野望。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byAFLO
posted2013/06/02 08:02
フランスで行なわれるユーロ2016について会見を行なう、UEFA会長のミシェル・プラティニ。2002年からUEFAの理事を務めており、2007年に会長に就任した。
新たな段階に突入した欧州サッカーをめぐるビジネス。
CAAによるヨーロッパサッカー界への挑戦は、今に始まったことではない。
2009年にチェルシーのチーフ・エグセグティブを4年間務めたピーター・ケニオンをヘッドハンティングし、スポーツ部門の拡張を一任。だが、ケニオンがポルトガルの敏腕代理人ホルヘ・メンデスと立ち上げた移籍ファンド『クオリティー・スポーツ・インベストメンツ』がFIFAの規定に違反した疑いを持たれ、CAAから退任。ハリウッドの芸能事務所によるヨーロッパサッカー進出は失敗に終わったかに思われた。
しかし、プラティニと懇意のふたりのエキスパートとの出会いによって、ついに彼らはヨーロッパサッカー界の牙城にクサビを打ち込むことに成功したのである。
ヨーロッパサッカー界はスポーツとエンターテイメントにおける最高峰のひとつであり、中東やロシアだけでなく、他の資源国のマネーをも引き寄せ始めた。そして、アメリカのハリウッドまでもが手を伸ばし始めている。
プラティニという新時代のリーダーの台頭とともに、さらなる変動が起こりそうだ。