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ロゴタイプが見せるさらなる充実――。
ダービー馬の栄冠は“孝行息子”に!?
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph byAFLO
posted2013/05/24 10:30
皐月賞をレコードで制したロゴタイプ。ダービーでは、鞍上がミルコ・デムーロから弟のクリスチャン・デムーロに乗り代わり、史上初となるダービー兄弟制覇を狙う。
メイショウサムソンの子サムソンズプライドの“意地”。
こんなドラマがあってもいいな、と思えるのは、滑り込みでダービーの出走権を獲得したサムソンズプライド(牡3歳、美浦・杉浦宏昭厩舎)の力走だ。
その父の名はメイショウサムソン(10歳、父オペラハウス)。皐月賞、ダービー、天皇賞春秋連覇など、輝かしい成績を残し、鳴り物入りで社台スタリオンステーションにスタッドインしたものの、初年度産駒の成績が空振り。101頭の種付けを集めて、JRAの勝ち馬が僅かに7頭というのでは落第のレッテルを貼られても仕方がない。
しかし、その中からサムソンズプライドが孤軍奮闘。まさに馬名通りの“意地”を見せたのだ。1着馬だけに出走権が与えられるプリンシパルSで見事逃げ切り。ダービー出走の18頭の一角を占めれば、少なくともダメな種牡馬とは言われない。サムソンズプライドの激走は、素晴らしい親孝行だったという意味がおわかりだろう。
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皐月賞をレースレコードで駆け抜けたロゴタイプの走破時計が1分58秒0で、サムソンズプライドがプリンシパルSで記録した走破時計は2分01秒4。東京と中山、コースの形状と馬場状態に違いがあるとしても、同じ芝2000mでこれだけの差があっては馬券的にはお勧めしにくいところだが、メイショウサムソンが文字通りの乾坤一擲をサムソンズプライドに注いだとすると、何かとてつもない力を隠し持っている可能性もある。
ストレスをたくさん抱えて悶々と過ごしているであろうメイショウサムソンに、大きなお祝いの花が届くシーンも見てみたい。