野ボール横丁BACK NUMBER
“役割分担”が決まった侍ジャパン。
「組織力」は「個の力」を上回るか?
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byNaoya Sanuki
posted2013/03/17 08:02
田中の突然の不調から、マウンドに集まったナインと東尾投手総合コーチ。2次ラウンドのオランダ戦では復調の気配を見せ、決勝での先発も予想されている。
“全員で頂点を目指す”日本の野球は世界を制するか?
そもそも日本は2月15日から合宿をスタートさせ、決勝ラウンドに入るまで約1カ月がかりでチームをつくる。一方、アメリカ代表の初練習は3月4日である。ほぼぶっつけ本番だ。しかし、原則的に「バラバラ」をよしとし、そのチームにおける個々の役割を見定める必要のない彼らはそれでいいのだ。
メジャーには、日本なら高校生でも知っているような連係プレーのイロハさえ知らない選手も多い。その理由を現地の記者に聞いたら「いろんな国の人たちが集まるから、プレーは単純な方がいいのだ」と話していた。こんなところにも、彼らがチームづくりに時間を必要としない理由がある。
1人が頂点に立てばいいという野球が勝つか。全員が登頂を目指す野球が勝つか。少なくとも、日本はそのための陣容がようやく固まった。