WBC 侍ジャパンの道BACK NUMBER
キューバに敗れて見えた侍打線の姿。
台湾・王建民は1番・角中で攻略せよ!
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNaoya Sanuki
posted2013/03/07 11:55
高校時代は甲子園とも縁遠く、独立リーグを経て千葉ロッテにドラフト7位入団した角中勝也。プロ6年目の昨季、打率.312でパ・リーグの首位打者に輝いた。
東京ラウンド進出を決めている日本とキューバの戦い。
「勝ちにいく」
試合前の日本代表・山本浩二監督はこう語り、主将の阿部慎之助も「コテンパンにして勝ちます!」と勝利宣言して臨んだ戦いだった。
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しかし、結果は「日本戦はさほど重要ではない」(ビクトル・メサ監督)と語っていたキューバの完勝に終わった。
日本は先発の大隣憲司が3回に一発を浴び、2番手の田中将大と3番手の澤村拓一がともに代わりバナに1失点。森福允彦をはさんで5番手の今村猛が8回に3ランを浴びて止めを刺された。打線も何度かチャンスは作ったが、得点に結びつけられずに、9回にようやく3点を返したものの、時すでに遅しというヤツだった。
「チャンスはあったけども、なかなかつながらなかった。良い状態の選手と悪い状態の選手がいて、なかなかつながらない」
試合後の監督会見。山本監督はむっつりこう語ったが、むしろその言葉にこそこれからの打線の答えが見えてきているようにも思う。
要は「状態の良い選手」をいかに有機的につなげていくか、なのである。
3番以降の4人は固まるが、問題はその前を打つ1、2番。
そう考えると、敗れたとはいえこのキューバ戦でむしろ、ようやく侍打線の姿が見えてきたことの方が、2次ラウンドに向けての収穫だったと言えるのかもしれない。
1次ラウンドが終わって打線で確定しているのは3番・内川聖一、4番・阿部慎之助というコンビだ。
内川はキューバ戦を腰の張りで休養したが、おそらく8日の台湾戦ではオーダーに復帰できるだろう。ブラジル、中国戦では7打数3安打。ボールを引きつけて、右方向に強い打球を打てており、安定感はナンバー1といえる存在だ。
「収穫は阿部の第1打席だった」
キューバ戦の試合後に立浪和義打撃コーチをまず喜ばせた阿部も、1回2死一塁で右中間に大きな飛球を放ち、その後の打席の内容も悪くなかった。スイングはかなり鋭くなってきて、強化試合のどん底状態からは抜け出しているので、やはり4番はこの男しかいないはずである。
この二人の後は、糸井嘉男と中田翔の2人に任せることになりそうだ。
特に中田はこの大会の“ラッキーボーイ”的な存在になりつつある。阿部、糸井と左が並ぶのを嫌がるならば、思い切って5番抜擢という手もあるのかもしれない。
ただ、3番以降の4人はこれで固まるとして、問題はその前を打つ打者である。
そこで注意しなければならないのは、8日の台湾戦で先発してくる台湾のエース、ワン・チェンミン(王建民)の投球なのだ。