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「筋肉の怪我ってホント面倒くさい!」
今、内田篤人はどういう状況なのか?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2013/02/27 10:30
今シーズン、不調の続くシャルケにとって内田の欠場は痛手だ。内田がベンチ外になってからの4戦は1勝1敗2分け。
「筋肉系の怪我は打撲のときとは治し方が違うんだよ」
しかし、昨年から続く3度の負傷を通じて、肉離れのような筋肉系の怪我はしっかりと休むことが必要なのだと考えを改めた。
これまでは、治療とリハビリで少しでも状態が良くなったら練習に復帰して、試合に出るということを繰り返してきた。怪我は完治したわけではなく、だましだましやっていたため、再発するリスクとも隣合わせだった。その結果、今シーズンは2度も怪我を再発させてしまったのだ。
「筋肉系の怪我は、打撲のときとは治し方が違うんだよ。痛みが消えればいいんじゃなくて、ちゃんと筋力が戻ってOKってこと。よく、『怪我はしっかり治してから』とかいうじゃん? やっと意味がわかったね。休まなきゃダメなんだよ」
焦る気持ちを抑えて、リハビリ施設で治療に専念。
昨年11月、12月の負傷では、クラブハウス内で治療を受け、リハビリに励む日々を送った。しかし、いまは、クラブの提携するリハビリ施設へ通いリハビリを行なっている。
「今までみたいにクラブハウスで治療していると、どうしても早く戻りたいと思ってくるわけ。みんなと毎日会うし。だから、みんなと会わないようにね、自分をちゃんと隔離したわ。リハビリセンターに入らないと、また早く復帰しちゃうだろうなーと思った。俺はいまリハビリ組にいるという壁をチームメイトとの間に作らないと。また怪我をしちゃうからね」
例えば、チームの練習が10時から行なわれる日の最近の内田の生活はこんな具合だ。
朝の8時過ぎにはリハビリセンターに入る。そこで体幹や太ももの前側を鍛えるメニューを行なう。チームの練習の始まる10時をすぎると、今度はクラブハウス内にある治療施設へ向かう。練習の前後はチームメイトたちが軽い怪我や古傷のケアなどを行なっているために治療施設はうまっているが、彼らが練習している間は空いているからだ。
そして、チームとしての練習が終わるころには再びクラブハウスを後にして、リハビリセンターへ。そこでまた、リハビリや体の他の部分を鍛えるメニューに取り組む。怪我の前の練習は1時間半で終わったが、今では1日に7~8時間をリハビリなどに費やすこともある。