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W杯ベタ押しの
ワイドショーがうるさいぞ。
text by
小田嶋隆Takashi Odajima
photograph byShigeki Yamamoto
posted2010/07/02 06:00
カメルーン戦終了直後、深夜の渋谷センター街の風景。2002年の日韓W杯時に比べれば、盛り上がりは大人しかったが……。それにしても、ワイドショーはなぜいつもこの場所を映すのだろうか。
限りなく透明に近いサムライブルー。
結局、ワイドショーにとってW杯は臨時スポンサー獲得の好機であり、慢性的なネタ枯れを解消してくれる一服の覚醒剤みたいなものなのであろう。だから、興味があろうがなかろうが、とりあえずはしゃぐ。尻馬に乗る“地デ鹿”。限りなく透明に近いサムライブルー。
自局の試合中継当日になるとはしゃぎっぷりはさらにエスカレートする。なぜなら、ワイドショーの主たる仕事は番宣だから。さよう。朝昼のテレビ電波は、番宣ぐらいにしか使い道がない。
ということはつまり、オレらは、番宣を見せられているわけだよ。試合中継や、デイリーハイライトや、関連特番や、戦後処理として登場する各種の濡れた文体のドキュメンタリー番組のための。
ん? 昼間っからテレビなんか見ている方が悪いと?
ほっといてくれよ。ほかに趣味がないんだから。