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侍ジャパンは2次ラウンドで敗退!?
好投手が揃うライバル国に要警戒。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byAFLO
posted2013/01/21 10:30
2006、2007年に2年連続で19勝を挙げるなど、ヤンキースのエースとして活躍した王建民(2010年よりナショナルズ)。台湾代表の一員としてWBCでどんな投球を披露するか注目される。
韓国、キューバ、日本の三つ巴の争いに、台湾まで!
その理由は、もし2次ラウンド進出を果たしたとすると、そこで日本は残りの3チームから必ずターゲットにされ、しかもそのマークをかいくぐってダブルエリミネーション方式(1敗は許される特殊なトーナメント方式)の勝負を勝ち上がっていかなければならない、ということだ。
今回の1次ラウンドは順当にいけばプールAからは日本とキューバ、プールBからは韓国と台湾(ここは豪州の可能性もあるが……)の4チームが、2次ラウンドに進む公算が高い。
準決勝に進めるのはこの中から2チーム。ということは4分の2を勝ち進まなければならないということになる。
過去2大会との一番の違いは、まずこの日本ラウンドにキューバが入ってきたことで、今までは日韓2チームが独占状態だったアジア枠が三つ巴の戦いとなるという点にある。逆の言い方をすれば日本と韓国とキューバという過去2大会の決勝でぶつかりあった3チームの内、1チームは必ずここで敗退するということでもある。
しかも今回は、これまで日韓には歯が立たなかった台湾にメジャーで61勝を挙げている王建民というエースがいて、その他にもソフトバンクで通算5勝を挙げ昨年8月にはオリックス戦で完封勝利を挙げている陽耀勲がいて、その他にも巨人の林イー豪、DeNAの王溢正ら日本のプロ野球での登板実績のある投手陣は過去にないほど充実している。
リーグ戦と異なる、“負けたらアウト”のワンマッチの怖さ。
「2次ラウンドでは順当に最初の2試合を勝てればもちろん問題はない。しかし、1つ負けると、そこからはワンマッチの試合を戦うようなものになる。投手陣が揃ったチーム同士の戦いとなると、結果はどう転ぶか分からないんです」
これはある日本代表チーム関係者の分析だ。
ダブルエリミネーション方式は、基本的には2度負けた時点でそのチームは敗退していくことになる。逆に1回は負けられるという計算になるのだが、リーグ戦方式と違うのは、1回負けたチーム同士で戦う決勝ラウンド進出をかけた試合は、単純に負けたらアウトのワンマッチの戦いになることなのだ。