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<早稲田の3人は今でも走っている?> 箱根駅伝優勝メンバー座談会~北爪貴志、猪俣英希、高野寛基~
text by
NumberDo編集部Number Do
photograph byShigeki Yamamoto
posted2012/12/18 06:00
「就職」という道を選んでいた。久しぶりに再会した同級生が
リアルな社会人生活を語りあった。
2週間後に迫った箱根駅伝を前に、好評発売中の雑誌Number Do『秋のランニング特集 忙しい人ほどよく走る!~あの人はいつどうやって走っているのか?~』より、全文公開します!
北爪 大学院に通ってたから自分はまだ仕事始めて半年だけど、2年目の2人はどう? お互いに仕事してる姿は見たことないからな。
猪俣 船舶を取引する部門で、競走部の主務(学生マネージャー)のような仕事をしてるかな。簡単に言うと、造船会社と船を買う人の間に入って様々なことを調整してるんだけど、駅伝で選手と監督やコーチの間に入って、お互いの言い分を聞くのと似てるでしょ。
北爪 大変そうなのがわかる(苦笑)。
猪俣 それぞれがプロとして主張するわけで、意見がぶつかることもある。帰りの電車で経験したことない疲れを感じるときあるもん(苦笑)。
高野 俺は駅の窓口で切符売ったり、ホームでアナウンスしたりしてる。
猪俣 ぽっぽ屋だ。
高野 さすがにあそこまで田舎じゃない(笑)。でも、泊まりこみの当直があったり、「箱根で転んだ人ですか」って話しかけられたりもするし、外国人に「上諏訪から長万部まで切符を下さい」っていきなり言われて驚いたり上諏訪駅でも色々あるのよ。
生徒に走ることを教える立場になった“北爪先生”の様々な苦労。
猪俣 北爪先生、走ることを教えるのって難しい? 今までと立場が逆になるわけじゃん。
北爪 想像してたより難しいね。
高野 生徒と一緒に走ってるの?
北爪 合宿だと自分の時間に余裕ができるから、練習に混ざってる。さすがに一番レベルの高いAチームにはもうつけないけど、レベル底上げのためにも、下のほうのチームについたり、女子と一緒に走って声は掛けてるな。
猪俣 今の俺には到底無理そう(笑)。
北爪 でも、一緒に走っていると色々なことが分かるんだよね。
猪俣 外で腕を組んで見てるより、横で走ってたほうが、こいつ調子いいなとか足痛いのをかばって走ってるとか分かるよね。
北爪 そうそう。生徒にああだこうだって言うのが好きじゃないんだけど、一緒に走ってると厳しいことも素直に言える。
高野 大学のときから先生向きだとは思ってたけど、やっぱりいい先生だ(笑)。
北爪 でも、自分が後ろにポンとつくだけで不思議なくらい生徒が頑張るんだよね。
猪俣 へー。じゃあ、北爪お兄さん、かなりいい効果を生んでるんじゃない?
北爪 でも、普段は授業など学校の仕事がメインだから時間がとれないからね。特に書類の作成がけっこうあって……。大会の引率にいくにしても、申請して、出張の届け書いて、帰ってきたらその報告を書いてって。
高野 生徒の立場にいたときは、そういう先生の苦労わからなかったな。