野球クロスロードBACK NUMBER
横浜のエースに返り咲いた三浦大輔。
苦悩の日々を救った、妻のひと言とは。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2012/10/04 11:50
2005年以来の150球越えとなった9月25日の対中日戦。「1つでも勝つのは大変なことなんです。次、頑張ります」と語った三浦。
「2ケタ勝利よりも、チームの勝利に貢献したい」
今季9勝はチームトップ。3年ぶりの2ケタ勝利こそなかなか達成できない状況ながらも、38歳となった三浦本人はいたって冷静だ。
「何歳になっても2ケタ勝利は自分にとって最低目標ですけど、勝ち星がつかなくてもチームの勝利に貢献できるピッチングをすること。これが一番大事なことですから」
三浦の登板機会はあと1回。
しかも、その試合は10月9日、甲子園での阪神戦であり、金本知憲の「引退試合」である。金本は同じ1991年の入団で、プロ初本塁打を許した因縁の相手。三浦としても10勝がかかっている大事な試合だけに、いつも以上に気合いが入る。
「投げる場所や相手がどこであろうと『勝ちたい』という気持ちは変わりませんよ。でも……あと1勝で10勝ですからね。達成できるよう頑張ります!」
年は寄れども心は寄らぬ――。このことわざのごとく華麗なる復活を遂げたベテランエースは、必ずや自身の最低目標をクリアする。