アラン・プロストの名言
まるで片道燃料の“特別攻撃隊”じゃないか。
アラン・プロスト(F1)
最速最強マシンを操るウイリアムズのプロスト、テクニックで凌ごうとするマクラーレンのアイルトン・セナ──'93年の日本GPは予選の段階から、ふたりの激しいつばぜり合いが演じられた。プロストは予選走行2回目で1分37秒154、対するセナは1分37秒284で2位だったが、このときのセナは1周(5.864km)をぎりぎり走れるだけの燃料しか積まず、100g単位まで重量を削って、プロストに立ち向かっていたのである。アタック後にガス欠ストップしたセナを、プロストは「特攻隊」と評したが、それだけのことをしなければセナに勝ち目はなかったともいえる。決勝は「スズカ・レイン」を味方につけたセナが、最強のライバルを打ち破る劇的な展開。セナにとって5年ぶり2回目となる日本GPでの勝利であり、これが最後の日本GPとなったのである。
Number788号(2011/09/29)
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