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西武に流れるエースの系譜を継げ!
“持っている男”菊池雄星の復活。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2012/09/06 10:31

西武に流れるエースの系譜を継げ!“持っている男”菊池雄星の復活。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

8月29日の日本ハムとの首位攻防戦で、8回3安打1失点の好投を見せて3勝目を挙げた菊池雄星。球速にこだわらず、4回以降は最速147キロの直球と多彩な変化球を丁寧に投げ分け、無安打に抑えた。

 9月1日、ほぼ1カ月ぶりに西武ドームを訪れ、球団職員の方に「甲子園(夏の全国高校野球選手権)に行く前は下位だったのに、帰ってきたら首位なんでびっくりしました」と言うと、「甲子園とかオリンピックで皆さんの関心がないときにコソッと勝って」と笑っていた。

 これには少し私の誤解がある。甲子園大会が始まる8月8日時点で、西武は既に44勝41敗7分と勝率5割を超え、順位を3位に上げていたのだ。

 詳しく見ていくと、最下位を脱出したのが交流戦真っ最中の6月10日で、30日には4位に浮上し、7月26日には菊池雄星が今季初勝利を挙げ(チームは今季初の貯金1)、順位を3位に押し上げている。この菊池が2勝目を挙げた8月15日にはロッテを抜いて今季初の2位に浮上、8月19日に奪った首位の座は1日で譲ったが、甲子園大会が閉幕してから2日後の8月25日には10点を奪う猛攻でオリックスを退け、再び首位に躍り出た。

勝率6割以上の快進撃を見せた西武が混パの主役に。

             ●西武ライオンズ、今季の月別成績

              月                     勝敗      勝率   各月末の順位
            3~4月                 8勝13敗0分      .381           6位
                 5月                9勝13敗1分      .409           6位
                 6月              13勝  7敗1分      .650           4位
                 7月              12勝  6敗3分      .667           3位
                 8月              15勝 8敗3分      .652           1位
◇8月末までの通算       57勝47敗8分        .548           1位

 6月以降、勝率6割以上の快進撃を見せ、パ・リーグの混戦・乱戦模様を演出したのは間違いなく西武である。月ごとのパ・リーグ全体の順位変動も見ていこう。常に上位に君臨しているのは日本ハムだけで、西武、ソフトバンク、ロッテの順位は慌ただしく上位と下位の間を乱高下しているのがわかる。

順位 4月30日 5月31日 6月30日 7月31日 8月31日
1 日本ハム ロッテ ロッテ 日本ハム 西武
2 ロッテ 日本ハム 日本ハム ロッテ 日本ハム
3 ソフトバンク 楽天 楽天 西武 ソフトバンク
4 楽天 ソフトバンク 西武 楽天 ロッテ
5 オリックス オリックス ソフトバンク ソフトバンク 楽天
6 西武 西武 オリックス オリックス オリックス

 4球団とも万全の状態で戦ってきたわけではない。日本ハムなどはこの1カ月くらいの間に、斎藤佑樹(7/30)、八木智哉(8/23)、糸井嘉男(8/26)、田中賢介(8/30)が登録を抹消され、ソフトバンクも松田宣浩が8月1日に右手甲を骨折し、今季中の復帰が絶望視されている。

【次ページ】 主力の離脱を中堅・若手の底上げでカバーする上位球団。

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