わずか1年後に初優勝を遂げたベネズエラのドライバー。

　この人選に関しても、当時は「ベネズエラの国営石油会社であるPDVSAの支援をもらうためだ」と冷笑されたものである。

　しかし、ウイリアムズの目に狂いはなかった。

　1年後の2012年スペインGPでF1参戦24戦目にして、初優勝を遂げるのである。

　今年の4月16日、フランク・ウイリアムズは70歳を迎えた。

　開幕4戦を欠席していたフランクが車椅子でサーキットを訪れたのは、今年スペインGPが最初だった。

　今年からチームの取締役となり、ディレクター・オブ・マーケティング&コミュニケーションズに昇格した愛娘のクレアとともにレースを見守っていたフランク。

　114回目の栄冠は、フェラーリの217勝、マクラーレンの152勝にも劣らぬ輝きを放っていた。