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労使間の板挟みに遭う
名コミッショナーの苦悩。
~スターンは混乱を収められるか?~
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2011/11/27 08:00
1984年の就任以降、NBAの経営状況を大きく好転させたスターンの剛腕で危機脱却なるか
NBAロックアウト137日目の11月14日、NBA選手会はオーナー案を却下し、“最終兵器”である自主解散の道を進む決意をした。選手会が解散すればロックアウトは不法となり、オーナーと選手間の対立は交渉から法廷での争いに移行する。裁判の混乱を避けたいオーナー側から譲歩を引き出せるかもしれないというのが選手側の目論見なのだが、さらなる混沌へと突入することで、'11-'12シーズンは開幕しないままに終焉となる可能性も高くなった。
オーナー側を代表するコミッショナーのデビッド・スターンは、選手会の判断を聞いた直後にテレビ出演し、「選手たちは誤った方向へと導かれている。合意が近かったのに、すべて吹き飛ばすことを選んでしまった」と厳しい表情で語った。