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<ナポリ、21年ぶりに欧州最高峰の舞台へ> マッツァーリ 「ジャイアントキリングの用意はできている」
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAri Takahashi
posted2011/10/21 06:00
ゲーム中に見せる激情と、ピッチを離れて見せる柔和な表情。
数々のクラブで成功を収め、イタリア一熱狂的なサポーターを
持つナポリに、21年ぶりの歓喜をもたらした男の素顔に迫る――。
数々のクラブで成功を収め、イタリア一熱狂的なサポーターを
持つナポリに、21年ぶりの歓喜をもたらした男の素顔に迫る――。
「醜態をさらすためにヨーロッパの舞台へ戻ったのではない。われわれは、サプライズを起こすためにチャンピオンズリーグへ乗り込んでいるのだ」
ナポリの指揮官、ワルテル・マッツァーリにとって、今シーズンのプライオリティは、はっきりしている。
チャンピオンズリーグ最優先。インテル相手にサン・シーロで17年ぶりの歴史的勝利を挙げても、その考えは揺るがない。
「もしターンオーバーを強いられる事態になれば、セリエAを犠牲にする。チャンピオンズの戦いは、ヨーロッパリーグとは完全にレベルがちがう。国内リーグのために戦力温存などということを考えれば、待っているのは大量失点による惨敗だけだ。12月の最終節まで、グループ突破をかけてCLに全精力をぶつける」
SSCナポリが、21年ぶりに欧州最高峰の舞台へ帰ってきた。あのマラドーナを擁した'80年代後半から'90年代初頭までの黄金時代以来の頂上挑戦。
だが、超名門バイエルン・ミュンヘンを筆頭に、中東資本による巨大戦力のマンチェスターC、そして常連のビジャレアルと同居するA組は、今大会における“死のグループ”。苦戦は必至と見られていたが、緒戦のマンC戦でアウェイながら臆することなく果敢に攻め込み、勝ち点1を得ると、つづく第2節ではビジャレアル相手に完封勝利を挙げ、堂々グループ2位につけた。ダークホースとして存分に暴れまわるナポリを率いるのは、やはり異端派として知られるマッツァーリだ。