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公式戦11試合連続無失点!!
今季の優勝はバイエルンで決まり!?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2011/10/12 10:30
ブンデスリーガでは開幕戦を落として以降、7試合で21得点0失点のバイエルン。 リベリー(右)も3得点4アシストと絶好調をキープしている
今季のブンデスリーガの優勝は、バイエルンで決まり。そんな空気がドイツには漂い始めている。
9月24日にレバークーゼンを3-0で一蹴し、リーグで6連勝を飾ると、『ビルト』紙はこんな見出しで強さを表現した。
「バイエルンは、ブンデスリーガのチームにしては強すぎる」
その試合から3日後。チャンピオンズリーグのマンチェスター・シティ戦でも前半にマリオ・ゴメスが2ゴールをたたきこみ、早々に試合を決めた。ベンチからこの試合を観戦した宇佐美は「あっさりというか、一蹴というか、強いなぁと思いました」と感想をもらした。この時点でプレミアリーグ無敗を誇っていたシティ相手に苦戦が予想されていたが、そんな周囲の思惑を簡単に覆したのだ。
すると今度は、『キッカー』誌が王者をたたえてみせた。
「バイエルンは無敵のチーム!?」
基本に厳しく、忠実に。ハインケス監督のシンプルプラン。
8月7日のリーグ第1節のボルシアMG戦を0-1で落として以降、土つかず。公式戦の成績は10勝1分。昨シーズン、苦しみぬいた末にどうにかCLプレーオフの出場権を得られる3位に滑り込んだ面影はない。
しかも、特筆すべきは守備面だ。11試合にわたり、一度もゴールを許していないのだ。その要因はどこにあるのだろうか。
GKノイアー、右サイドバックのラフィーニャ、センターバックのボアテンクと、今季は守備の選手を中心に補強を進めた。確かに、彼らの存在は大きい。
だが、最大の要因はハインケス新監督の手腕にある。
ハインケスは、あのゲルト・ミュラーを頂点として3番目に多いブンデスリーガ通算220ゴールを記録したストライカーで、現在は66歳。監督業から離れた時期もあった。ドルトムントのクロップ、マインツのトゥヘル、レバークーゼンのドゥットなど若くて将来を嘱望されている監督が多い、現在のブンデスリーガでは異色の監督だ。