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メジャーで6番目に高齢の斎藤隆が、
一流の成績で戦い続けられる理由。 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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posted2011/09/05 10:30

メジャーで6番目に高齢の斎藤隆が、一流の成績で戦い続けられる理由。<Number Web> photograph by Getty Images

ここまで22試合に登板し防御率2.33と奮闘している斎藤隆。なかでも8月は11試合に登板。その内、負け試合は2試合だけという“勝利の方程式”の一角を担っている

優勝争いこそが、最高のモチベーション。

 一方で斎藤は、2007年のドジャースで地区4位に終わった以外、毎年プレーオフに進出しており、今年も在籍するブルワーズは地区首位を独走。プレーオフ進出に着実に歩を進めている。このような、チーム一丸となって目標に邁進する環境下に身を置くことで、自然と気持ちを充実させられてきたのだ。

 実は昨シーズンオフにFAとなった斎藤に数チームからオファーが来ていたらしいのだが、代理人から「ブルワーズがお前に最も合っているチームだ」という強い推しがあり最終決断したのだという。そして代理人の慧眼通り、ロン・レネキー監督が「最高のブルペンが揃った。6回まで勝っていれば負ける気がしない」と絶賛する勝ちパターン、“勝利の方程式”4投手の1人としてフル回転している。

迫り来る“衰え”に最後まで抗う精神力。

 だが気力は常に充実している一方で、年々体力的な衰えは着実に進んでいる。今年もシーズン序盤で左太ももを痛め故障者リストに入り、さらにリハビリ中に左脇腹を痛めて長期離脱した。

「ここ最近は過去に痛めたことがないところを痛めるようになった。今回も自然と左太ももをかばっている中でフォームに無理が生じて左脇腹を痛めたんだと思います。投げることは何とかなりますが、正直走れなくなってきています」

 最近オフの自主トレはトレーニング以上に故障した箇所をケアする時間がかかり、今では朝から夕方まで1日がかりなのだという。その一方で身体の動きに関する探求心はどん欲で、我々からの質問に身振り手振りを交えながら懇切丁寧に投球フォームの仕組みを熱く語ってくれるほどの勉強家でもある。2年前からセットポジションだけで投げるようになったのも、無駄な動きを軽減するのが目的だった。本人はその分球速が下がったとしているが、今でも要所では150キロを超すキレのある真っ直ぐを投げており、投球自体の衰えはほとんど感じることはない。

「本当の意味での優勝争いはやはり9月からですね。チームの雰囲気もまるで変わってくる。ここまで来れば疲れていない選手なんて誰もいない。あとは気持ちで乗り切るしかない。その覚悟はできています」

 野球人生を賭けた斎藤の全身全霊の戦いが再び幕を開けた。

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