開幕投手として、エースとしての役割が果たせていない！

　2戦目となった横浜戦では打線の援護を借りて初勝利を挙げたものの、完投はできず。3戦目の阪神戦では開幕戦のリベンジを果たす2勝目になったとはいえ、チームが逆転したのは、前田健に代打が送られてからのことだ。自身は4回裏にチームが勝ち越した直後に逆転されていた。

　5月1日の中日戦では3－1とリードしながら、7回途中3失点で降板。勝利を呼び込めなかった。8日のヤクルト戦は6回1失点と粘ったが、2点リードしている状態から代打を送られた。15日の巨人戦では5回4失点でKO。

　試合途中で打球を受けたことが考慮されたヤクルト戦はともかくとしても、開幕投手が、また、エースと呼ばれる投手が試合早々にマウンドを降りてしまうということは、役割を全うできていない証である。

有利なカウントへ追いこんでから、崩れる。余裕の無い投球が続く。

　彼を苦しめていたのは、本来のボールの切れが戻らないことからくる無駄球の多さだ。

　特に、1ボール2ストライクと追い込んでから苦心する場面が今季に多い。思うようにストレートが走らないため、コースを突こうとする。その結果、たとえば1ボール2ストライクと追い込んだカウントから3ボール2ストライクの局面を作ってしまう。こうなると、精神面において投手有利にはなりにくい。

　交流戦の最後2試合まで前田健が8回のマウンドに立った試合が一度もなかったのは、余裕のある球数で8回を迎えていなかったからである。

　例えば、最速150キロを計測するなど復調したかに見えた5月22日のロッテ戦にしても然り。

　1回を三者連続三振でスタートし、7回を5安打1失点10奪三振。成績は申し分ないのに、7回裏の攻撃で代打を送られている。投手戦において先発投手を交替させるのは難しい選択のはずだが、7回終了時で117球を投じている前田健に続投の余地はなかったのだ。

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