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ブンデスリーガ前半戦総括。
真冬の移籍戦線から目を離すな! 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byUniphoto Press

posted2009/12/31 08:00

ブンデスリーガ前半戦総括。真冬の移籍戦線から目を離すな!<Number Web> photograph by Uniphoto Press

2シーズン前の得点王トニだが、ファンハール監督の構想外のようだ

シャルケは借金で主力を放出予定も若手育成に成功。

 上位チームの中でも、変わった動きを見せることになりそうなのがシャルケ04だ。フェリックス・マガト監督を新たに迎えた彼らだったが、今、深刻な財政危機に陥っている。借金の穴埋めをするために、今冬には数名の主力選手放出しなければならない。

 過去6シーズンにわたり活躍してきたMFレバン・コビアシビリ、ヨーロッパのビッグクラブが興味を示しているブラジル人のラフィーニャ、10シーズン前からシャルケで活躍し、ドイツ代表としても43試合でプレーした経験のあるゲラルド・アサモアなどが、放出されそうだ。ところが、監督には焦りの色や落胆の色はあまり見られない。ブンデスリーガで3度の優勝経験を持つマガト監督は、彼らがチームを離れることを予想して、前半戦の間に若手選手の発掘と登用を行なっていたからだ。ジョエル・マティプ、クリストフ・モリッツ、ヤン・モラベク、レヴィス・ホルトビーなどがそうだ。

 実際、前半戦最後の1FSVマインツ05戦では、20歳以下の選手が3人も名を連ねていた。若手を育てつつ、前半戦を2位で終えるという離れ業をやってのけたことにはマガト自身も手ごたえを感じているようだ。普段は慎重な発言の多い彼だが、こんな発言も聞かれた。

「多くの若手選手を起用しながら、これほどの成績を残せるとは想像もしていなかった。今の成績には満足しているし、誇りに思う」

補強の失敗に端を発する強豪クラブの凋落。

 一方で、ファンの期待を大きく裏切った2つのクラブ――昨季の王者VfLヴォルフスブルクと、昨季3位のVfBシュツットガルト――の今冬の移籍市場での動きから、彼らの問題点がくっきりと浮かび上がってくる。

 8位で前半戦を終えたヴォルフスブルクはセンターバックの獲得に動いていて、サンパウロFC所属のブラジル代表、ミランダをターゲットとしている。17試合を終えての32失点はリーグ15位、下から4番目の成績だ。今季の彼らは失点が多く、勝ち点が伸ばせない。もっとも、失点の多い原因が、CBだけにあるのではなく、フェー監督が守備組織を確立出来ていない点にあることも、あきらかだ。最近のホームゲームでは、「フェー、辞めちまえ!」とファンがコールするのが当たり前になっており、クラブの監査役長のガルシア・サンツは「すべての面でフェー監督の自由な権限を与えるわけにはいかない」と語り、フェー監督が兼務しているスポーツディレクター(SD)の肩書を取り上げ、新たなSDを外部から招き入れようとしている。

 今月の6日に成績不振からマルコス・バッベル監督を解任したシュツットガルトの狙いは明確だ。前半戦を終えて14位に沈んでいるチームは、FWの獲得を画策している。昨季終了後、ゴメスをバイエルンに引き抜かれたことで空いた穴が、いまだに埋められないでいるからだ。32試合で24ゴールを挙げたストライカーの不在は大きかった。開幕5日前に獲得したロシア代表のパベル・ポグレブニャクは、いまだに期待に応えられないでいる。

【次ページ】 1部残留に懸ける2チームは戦力補強で活路を見出せるか?

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