Column from GermanyBACK NUMBER
恒例のドイツサッカー大賞を発表します。
text by
安藤正純Masazumi Ando
photograph byTomohiko Suzui
posted2006/12/08 00:00
最近では、バロンドールと並ぶ権威ある賞としてすっかり有名になった『ドイツサッカー大賞』(ホント?)。記事が発表されると本国ドイツでは上へ下への大騒ぎになり(嘘!)、受賞理由の問い合わせ電話が私の家に殺到する(調子に乗るなよ)。この賞の選考基準は「いかにドイツサッカーに貢献したか」で、委員は私一人だけ。つまり独断と偏見で選ぶというわけです。
それではいよいよ発表します。第一位はドイツ代表チームです。受賞理由=弱小チームが、カリスマ監督と辣腕コーチの指導によりW杯で大成功を収めた。優れた指導を行なえばチームはこれだけ成長するという見本を世界に示した。
あっ、ここでニュース速報が入りました。極東某国とブラジルの関係者がクリンスマン前監督のツメの垢を採取し、トルコに運ぶ計画だそうです。しかしイスタンブールで受け取り拒否にあってるそうです。
第二位はベルダー・ブレーメンです。受賞理由=ジエゴを新たに加え攻撃サッカーに磨きがかかり、国内リーグは15試合で39得点と断トツ。同勝点ながらも1位を堅守。新スタジアムの建設も決まり、ブレーメン時代の到来を予感させた功績は大きい。
お、ここで再びニュース速報が入りました。ブレーメンがチャンピオンズリーグでバルセロナに惨敗、グループステージ脱落が決まりました。これによりドイツサッカーの地盤沈下が避けられなくなりました。今回の責任を取る形でブレーメンは受賞を辞退するようです。
第三位はタカハラナオヒロです。受賞理由=フランクフルト移籍後の活躍は目覚しく、アーヘン戦では初のハットトリックを達成。最近の10試合すべてに出場、チーム最多の6ゴールを挙げ、日本人の評価を上げた。
ニュース速報です(またかいな)。クラブの会長、監督、ファン、マスコミがこぞってタカハラを褒め讃えています。「はずし屋」「寿司ボンバー」の渾名は過去のものとなりました。欧州の日本人選手はほとんど話題になりませんから、ここは思いっきり“ホメ殺し”をしてもらいたいものです。
これにて今年度の発表会を終了します。あれ、ところでバイエルンは?「今季はリーグ3位以内で十分」(ルンメニゲ会長)という当初目標なので、来年まで楽屋で待機しているそうです。
以上、仮想「ドイツサッカー大賞」授賞式の会場からお伝えしました。