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オシャレ禁止令? 

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酒巻陽子

酒巻陽子Yoko Sakamaki

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posted2005/08/11 00:00

オシャレ禁止令?<Number Web> photograph by AFLO

 「結婚指輪の着用も認めない」

 イタリアサッカー協会が3日、選手と審判員に対しピッチ上での貴金属の着用を禁じることを発表した。UEFAの新規約に基づき、今シーズンからアクセサリー禁止令がイタリアでも導入され、セリエAのピッチでは、光りものや白い絆創膏のないサッカー選手とレフェリーが登場することになる。

 夫婦の誓いの証である結婚指輪、婚約指輪も当然ながら対象となり、FWトッティ(ローマ)、MFピルロ(ミラン)などがゴールパフォーマンスの際に見せる指輪へのキスも、今季は見られそうもない。

 しかし、「指輪も、他の貴金属と同じくケガを招く恐れがある」と、伊サッカー協会のカラーロ会長が打ち出したこのレギュレーションには、不服の声もあがっている。

 中心はレフェリーたちだ。「レフェリーである前に、我々は人間である」とコリーナ審判員をはじめとする多くのレフェリーの断固たる決意が、開幕を控えたいま、イタリア国内における新レギュレーションの導入を揺るがしているのだ。「テーピングをすれば済むもの」と審判員らは新規定に承諾しない姿勢を示している。

 ケガを誘発する危険のある貴金属の不可は、激しいフィジカルコンタクトを繰り返す選手達に対しては妥当な処置かもしれない。だが、そもそも中立の立場である審判員への「結婚指輪の取り外し」はやりすぎとも解釈できよう。「フェアプレー」を重んじる近年の欧州サッカーにおいて、いろいろと事情があって新規約が導入されるわけだが、今回のレギュレーションは、プロ選手に道徳心が欠落する今日、セリエAでの度重なるアンフェアなプレーが引き金となって、とうとう審判員までもツケが回ってきたというわけだ。

 振り返れば、サッカー選手は常にファッションの先駆者であった。イタリアの至宝ロベルト・バッジョのシンボルでもある大ぶりのピアスにテール髪、そして元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナのピアス、アドリアーノ(インテル)、ミッコリ(ユベントス)の大粒のダイヤモンドピアスなど、選手たちのスタイルはトレンドとなって若い世代に支持された。元ユベントスのMFタッキナルディが愛用していた、ボールを奪い取るたびに首もとで揺れる大きなペンダントがかつて一世を風靡したように、ピッチでの技術とフィジカルの能力以上に彼らのアクセサリーは時には観る者を楽しませたものだった。今シーズンからは若者のファッションのお手本となっていた貴金属も、ロッカーもしくは自宅待機を免れない。

 貴金属に変わる次のトレンドは、果たしてなんだろう。マニキュアにだろうか?そういえばすでにフィオレンティーナに所属するMF中田英寿が親指にドクロが描かれた黒い爪をしていたことがあったのをふと思い出した。

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