日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
日本代表、明日のための「3-4-3」。
チェコ戦で見せた世界への布石。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byNaoya Sanuki
posted2011/06/08 12:30
「いろいろな要素があって監督がポジティブなことを言うのは想像できるけど、そのレベルで会話をしてはいけないと思う」と試合後に語った本田。選手自身の向上心とモチベーションが、このチェコ戦でさらに上がったことは間違いない
アジアカップ優勝で立ち止まらないための新システム。
ただ、対世界のためだけにテストしたわけではない。
新しいものにチャレンジしたことで、選手たちのモチベーションはまた一段と高くなった。指揮官は新たな課題をぶつけることで、選手たちに刺激を与えようとした。メンバーの入れ替えを図ったのも、その一環であったはず。
ドイツで著しい成長を遂げた岡崎もミックスゾーンを離れる前「もっともっと個のレベルを上げていかないといけないですね」と気を引き締めていた。アジアカップに優勝したことで満足に浸らないための、指揮官なりのマネジメントでもあった。
チームは8月の韓国戦を経て、いよいよ9月からスタートするW杯アジア予選へと向かう。新戦力という点では大きな収穫がなかったものの、チームは間違いなく一歩ずつ前進を続けている。コパ・アメリカ不参加によって強化に遅れが出てしまうことは仕方ないが、キリンカップで有意義なキャンプを過ごせたことはチームにとって非常にプラスになった。
明日のための3-4-3。
ザッケローニのメッセージを、選手たちは重く、そして前向きに受け止めている。