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このままバリチェロが優勝するの?
ブラウンGPに漂う奇妙な倦怠感。
text by
西山平夫Hirao Nishiyama
photograph byHiroshi Kaneko
posted2009/09/23 08:00
開幕レース以来の決勝順位は、2位→5位→4位→5位→2位→2位→リタイヤ→3位→6位→10位→1位→7位→1位となる。昨季に引退を噂されたドライバーとは思えぬ活躍だが……
まったく危機意識の無いバトンにやる気満々のバリチェロ。
木曜日のコースサーベイが恋人のジェシカ道端嬢連れだったのはまぁいいとして、まったく同じ燃料搭載量なのに予選でバリチェロに負けちゃイカンでしょう。
もっとも、残る4戦すべてバリチェロ→バトンのワン・ツー・フィニッシュだったとしても、バトンの初戴冠は動かないから(9月18日現在でふたりは14点差)ロス・ブラウンとしてはコンストラクターズ・タイトルのことだけ考えていれば良いとはいえる。しかし仮にそうなったらバトンは第7戦以降まったく勝利なき初王座となる。鬼に笑われるかもしれぬが、それではいささかカッコ悪くないか?
どうやらバトンに危機意識はないようだ。ある関係者いわく「ジェンソンはいつかどこかでロス・ブラウンがなんとかしてくれると思ってるんじゃないかなぁ」。最近のバトンを見ていると確かにそんな気にもなってくるから不思議だ。
この先はバリチェロ先生にせいぜい頑張ってもらって、数字上で逆転の可能性だけでも最終戦まで引っ張っていただきたいものである。
そろそろ名門チームの底力が見たいとは思うのだが……。
振り返ればブラウンGPの大ブレークは最初のうちこそ新鮮だったが、素材の新鮮さだけで売る料理は飽きる。やはり名門料亭のドシッとした伝統の味があってはじめて新作料理も存在が引き立つのではないか。
横綱の弱い場所はつまらない。
強い者がたまに負けるから面白いので、平幕優勝が続く相撲なんか誰が見るものか。この間の衆院選にしたって……と、話が道端からはみだしたところで、次のシンガポールGPのバリチェロ先生の健闘を祈って締め括りたい。