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ナダルの全仏Vに見る、テニススタイルの趨勢。
text by
吉松忠弘Tadahiro Yoshimatsu
photograph byHiromasa Mano
posted2005/07/07 00:00
テニス技術の流行は、螺旋階段のように、繰り返しながら発展する。その観点からすると、全仏に19歳で優勝したラファエル・ナダルのプレースタイルは、ふた昔前のテニスを発展させた形と言えるだろう。'68年オープン化(プロ解禁)以来、'82年ビランデル(スウェーデン)に次ぐ2人目の初出場初優勝を成し遂げた新星は、もしかしたら、男子テニス界に新たな時代を築き上げるのかもしれない。
テニスは、ラケットを使うスポーツだけに、できる技術は限られている。すでに、現在のテニスは、ほとんどのテクニックが出尽くした感じだ。ネットプレー、ストローカー、オールラウンド。大きく分ければ3つのスタイルに、それぞれに適した球種やパワーが絡む。細かい違いはあるが、すべて、この3スタイルからの亜流である。現在は、パワーがあるストロークを基盤としたオールラウンドに近いテニスだ。