巨人軍と落合博満の3年間BACK NUMBER
巨人・落合博満41歳が猛批判「はっきり言って、原辰徳」“落合vs原”…30年前オフにバチバチの論争「原がしっかりしてたら巨人移籍なかった」
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byKYODO
posted2024/02/18 11:03
巨人1年目の契約更改のとき、落合博満は41歳。年明け1995年1月13日に現状維持=4億500万円でサインした ©KYODO
この企画において、「2位落合43,089票、3位松井32,859票、4位広沢19,692票、5位マック19,165票、6位ハウエル8,524票」と2位以下に大差をつけて、81,580票を集め、ぶっちぎりのトップに輝いたのが原だった。
当時、ジャイアンツファンですら、長嶋巨人の過剰な大型補強路線に明らかに戸惑っていた。同時にあまりに猛スピードで変化するチームへの反発で、80年代の巨人の顔でもあった原にある種の郷愁と共感を覚えていたのだ。まるでリストラ寸前のベテラン社員のような悲壮感を背番号8に見たのである。
故障明けでひとり独自の調整を続け、「落合は今季、何試合出場できるか?」と囁かれた逆風のオレ流と、世論を味方につけた逆襲の若大将の一塁ポジション争い。95年の開幕前は確かにそういう雰囲気だった。
だが、いざペナントレースの蓋を開けてみたら、両者の野球人生は残酷なコントラストを描くことになる――。落合は首位打者争いを繰り広げ、原は現役最後の1年になるのである。
<続く>