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「本当にダメな人間だった」規律違反で浦和退団後、柏木陽介がFC岐阜で得た円熟「J3はここまで過酷かって。昔なら逃げ出したかもだけど」

posted2024/01/09 11:02

 
「本当にダメな人間だった」規律違反で浦和退団後、柏木陽介がFC岐阜で得た円熟「J3はここまで過酷かって。昔なら逃げ出したかもだけど」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

FC岐阜でキャリアを終えた柏木陽介。当地で得たもの、そして引退後に描く青写真とは

text by

原山裕平

原山裕平Yuhei Harayama

PROFILE

photograph by

Kiichi Matsumoto

2023年限りでピッチを去った元日本代表MF柏木陽介(36)。最後のシーズンを戦い終えたタイミングで、引退の経緯や各クラブでの記憶など、約2時間の単独取材に応じてくれた。(NumberWebインタビュー。全3回/第1回第2回も配信中)

 柏木は浦和レッズ時代、クラブにタイトルをもたらすだけでなく、日本代表に名を連ねる期間もあった。しかしW杯出場はかなわず、その後は思わぬ形で浦和を離れ、FC岐阜へと加入することになった。当時の心境、そして岐阜での日々を包み隠さず本音で語ってくれた。

◇ ◇ ◇

昔の自分に“W杯に出たいだのよく言えたな”と(笑)。

――当時は日本代表にも絡んでいて、W杯出場という目標もあったと思います。結果的に出られませんでしたが、そこに対する心残りはありますか。

「それはもちろん出たかったですし、一番の目標にはしていましたけど、まあ普通に考えたら、無理だなって。あの生活をしていて、よくそんなこと言えたなって恥ずかしくなるくらいですよ(笑)。昔の自分に言ってやりたい。お前は代表だの、ワールドカップに出たいだの、よく言えたなって。日本代表として11試合も出られただけでもありがたいなって思っています」

――柏木選手と言えば、触れなければいけない出来事があります。2021年の“規律違反”について改めて聞かせてください。(※コロナ禍の規制がある中、沖縄キャンプ中にチームメイトの杉本健勇と外食していたことが発覚し、浦和を退団することになった)

「本当にチームに迷惑をかけました。ダメなことをやってしまったので、浦和を去らなければいけないのは当然のことだと思っています。自分の弱いところが出てしまったと悔やんでいます。

 そこに至るまでの過程として、その2年前から思うようなサッカーができずにフラストレーションが溜まっていて、前年は怪我もあってなかなか試合にも出られなくなっていました。ずっとモヤモヤした感じが取れなくて。『俺が一番、浦和のことを思ってるのに、なんで出られないのか』って、キャプテンなのに感情を態度に出してしまったり。想いの強さが裏目に出てしまったんですね」

いろんな人に迷惑をかけたし、ダメな人間だった

――感情を上手くコントロールできなかったと。

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